8月17日(日)アクロス弦楽合奏団 第8回定期演奏会
2014年 08月 28日
発表会も近いので毛替え&楽器のメンテのために工房に楽器を預けて、その間にランチをして演奏会、超贅沢(笑)
今回のプログラムはいわゆる(ほぼ)バロック時代の合奏協奏曲ばかりで、ヴァイオリンにしろ、ヴィオラにしろレッスンで取り上げる事の多いおなじみの曲なんだけど実際に生で演奏を聴く機会があまり無い曲が取り上げられていて、聴きに行くのがとても楽しみだった
今回の演奏会のチラシを見た時、「お、ヴィヴァルディのa-moll がある!これは聴かねば!」と思ったのだけど、番号違いの別の曲だった、というのはご愛嬌(苦笑)
ヴィヴァルディにバッハ、テレマン、ヘンデル、レッスンでもおなじみな(というかおなじみ過ぎて偉大さがピンと来ない、というのが正直な所なのだけど(をい))作曲家ばかりなのでお行儀のいい(言い換えると退屈)な曲ばかりか、というと全然そんな事はなく
時代が古いから単純な音楽、ではなくむしろ合奏の可能性を色々と試していて、「音楽のお約束」が確立する前のむしろ自由な音楽
一曲だって同じ編成が無い
「こんな編成はどう?」「こんな形式で作曲してみたんだけど」
作曲家たちの声が聞こえてきそうな演奏だった
ヴィオラ協奏曲といえばほとんどが現代曲だから「超」がつく程難しくて一生弾く事もないのだろう・・・と思っていたけれど、こんな素敵な曲がバロック時代にあるなんて
というか、いわゆる「お稽古名曲」かと思っていました
ごめんなさい、テレマンさん
須田さん、カッコいいわぁ
同じくテレマンの「4つのヴァイオリンのための協奏曲」は若手のヴァイオリニスト4人で演奏されたのだけど(余談だけど、どうしてプログラムにソリストの名前を掲載してくれないのだろう?もう8回目なのだから今までにもそういう声はあっただろうに)とても繊細な響きの親しみ易い曲
もしかしたら手が届くのかな?と素敵な勘違いをしてしまったのだけど、この曲は弾いてみたいな、と思った
バッハのヴァイオリン協奏曲、もちろん全楽章レッスンでやったのだけど・・・
バッハを弾くって、どういう事なんだろう?
奥が深過ぎてよく分からなくなる
ヴィヴァルディはどの曲も万華鏡を覗いているような、キラキラとした精緻な演奏
ソリスト同士の掛け合いというか楽器で対話している感じがとても親密感があふれている
バロックの楽譜は「音符」しか書かれていなくって、特別に「espressivo」だの「dolce」だの書かれていない
だからって平坦に弾く訳ではない、そんな当たり前の事がよく分かる
最後は全員でヘンデル
指揮者がいる訳ではないから全員がアンテナを立てて、隅々まで神経が行き届いた、精密画のような、もしくは全てにピントがきちんと合った写真を見ているような演奏
でも神経質とかではなく、とても親しい、暖かな演奏だったと思う
♪アクロス弦楽合奏団 第8回定期演奏会♪
ヴィヴァルディ:協奏曲集「調和の霊感」第10番ロ短調 op.3-10 RV580
テレマン:ヴィオラ協奏曲 ト短調 TWV51:G9
ヴィオラ独奏:須田祥子
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV1041
ヴァイオリン独奏:景山誠治
テレマン:4つのヴァイオリンのための協奏曲 ト長調 TWV40:201
ヴィヴァルディ:2つのチェロのための協奏曲 ト短調 RV531
チェロ独奏:田中雅弘 菊池知也
ヴィヴァルディ:協奏曲集「調和の霊感」第8番 イ短調 op.3-8 RV522
ヴァイオリン独奏:山本友重 川田知子
ヘンデル:合奏協奏曲集 作品6 第6番 ト短調 HWV324
アンコール
ヨハン・シュトラウス:ピチカートポルカ
アクロス弦楽合奏団
コンサートマスター:景山誠治
「アクロス」弦楽合奏団なので「アクロス福岡」の「福岡シンフォニーホール」が活動拠点なのは当然なのだけど、合奏団の規模に対してホールが広すぎる・・・というか、もう少し小規模なホールだったらもっと弦楽合奏独特の繊細さや、親密さが拡散されることなく聴き手が受け取る事ができるのに、と少し思った
なんだかちょっともったいない
http://www.youtube.com/watch?v=g4QYMJQe9wI
アイオナ・ブラウン指揮アカデミー室内管弦楽団の最初の録音がとびきりの名演奏なのですが、入手不能です。CDやYOUTUBUで聴ける演奏は2度目の録音で、やっぱりテンポも雰囲気もどこか違う。