11月5日(土)京都アルティ弦楽四重奏団 第20回記念演奏会
2016年 11月 09日
今回のプログラムはモーツァルト&シューベルトの弦楽五重奏曲
これまで毎年聴いていたベートーヴェンが入っていないのって新鮮
プログラムノートにも「あえて選ばれた」と書いてある
どんな世界が広がるのかとても楽しみ
前半のモーツァルトは矢部さんが1st Vnを担当
チャーミングでキラキラしたモーツァルト
本当は隅々まで神経を張り巡らせているはずなのだけど、軽やかでリラックスした雰囲気の演奏
どちらかと言うとアルティSQはベートーヴェンとかブラームスとかの「濃ゆい」(・・・方言ですね(苦笑))曲の方が似合うと個人的には思っていたのだけど、こんな水彩画のような演奏も素敵だな、と新しい魅力を発見した気分
後半は特別ゲストとしてチェリストの原田禎夫氏を迎えてシューベルトの五重奏曲(豊嶋さんが1st Vn)
これまでも数多くお互いに共演されているからだと思うのだけど、原田さん、まるで最初からメンバーみたいにしっくりしているんですけど(笑)
弦楽五重奏曲でこの編成を実際に聴くのは初めて
チェロが2本になるとこんなにも重量感と重層感が増してサウンドが変わるのかとびっくりする
低音がしっかりと音楽を支えていているのだけれど、がっしりとした石組みのような土台というよりも、やわらかくてしなやかな厚みのある織物が何枚も重ねられているような、そんな土台の上に薄くて繊細な織物のような美しいメロディーが何層にも重なっているような感じ
シューベルトって歌曲のイメージが強いけれど、器楽曲にも「歌心」が遺憾なく発揮されているのだなあ
そして、もの凄い緊張感と迫力のある演奏されているのに、皆さん、とても楽しそうだったのが印象的だった
(上村さんはずっと微笑みながら演奏されていたと思う)
4楽章が特に素晴らしくて、本当にずっと聴いていたくて、曲が終わってしまうのが残念で仕方がなかった
(これ、毎年言っているような気がするけれど、多分、いい演奏っていつまでも聴き続けていたいものだと思うのね)
個人的にはずっと原田さんのpizz. と豊嶋さんの右手に目が釘付け
別にもの凄く特別な事をされているわけでも無く、むしろ当たり前の日常の動作のような動きなのだけど、どうしてあんな風にエレガントで深い音が出るのだろう?
カーテンコールでの皆さんの笑顔が素敵でした
♪ALTI芸術劇場 vol.31 京都アルティ弦楽四重奏団 第20回記念演奏会♪
W. A. モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番イ長調 K.464
F. シューベルト:弦楽五重奏曲ハ長調D. 956 Op. 163
京都アルティ弦楽四重奏団
第20回記念公演特別ゲスト:原田禎夫(Vc)
京都アルティSQの演奏会、今回で20回目との事
私はいつから聴きに行くようになったのだろう?と演奏会のパンフレットに掲載されている「演奏会記録」を確認
8年前の第12回が最初(ヴァイオリンの発表会の直前なのに一泊二日で聴きに行った)
第13回と第14回の年は同じプログラムを横浜のフィリアホールに聴きに行った
第15回の年はチケット発売開始時期が丁度初めてオーケストラに参加してテンパっていた頃だったので、買いそびれてしまったんだったっけ
NHKのクラシック倶楽部でフィリアホールでの演奏が放映されたのを観て、やっぱり行けばよかった、と後悔したっけ
翌年からは毎年
第16回以降の記録はこちらに(16回・17回・18回・19回)
20回のうち8回(アルティホール開催分だと6回)、これはなかなかの追っかけ率ですなあ
自分でもちょっとびっくり
来年も楽しみにしています♪
私も会場にいました。
シューベルトはもうなんというか、技術の素晴らしさは当然なんですけれど、奏でる喜びとか弾き手の熱意や気迫、集中力がステージから伝わってきて、息や瞬きをするのを忘れるくらいでした。
川本さんは演奏後、「弾いていたのに聴き手の気分でした」とおっしゃっていました。
豊嶋さんのインスタグラムでは前日のリハの動画とともに、
#幸せな時間がもうすぐ始まる
#終わるのが悲しい
と書かれていました。
その幸せな瞬間に立ち会っていた喜びを、まだまだ反芻しています。